「何」が多い浦島太郎

何年か前、何処(どこ)かわかりませんが、浦島太郎という漁師がいました。

浦島太郎は何となく釣りに出かけてると、何やら声が聞こえました。

声のする場所まで歩いていると、子どもたちが亀に何かをしている姿が見えました。

浦島太郎「お前たち、亀に何をしている!」

子どもA「何?あんた関係ないだろ、あっちいけ」

浦島太郎「何だと!お前たち何様だ!」

浦島太郎は何とかして亀を助け出し、亀はお礼に竜宮城に連れていくことにしました。

竜宮城につくと、浦島太郎は乙姫様に誰何(すいか)されました。

乙姫「ポチ(亀の名前)よ、その方はいったい誰ですか?知らない人を連れて来てはならないといつも言っているでしょう。もう…しょうがないわね。で?あなたの御用は何?邪魔をしに来たなら帰ってくれますか?ああ、ごめんなさい、決して脅しているわけじゃないの。ただ、何の用かを訊きたいだけで…ポチよ、ちゃんとその方の紹介をしなさい!ホント…わかってる?」

亀「長いよ乙姫様!この方は僕を助けてくれたんです、名前は…えーと何でしたっけ?」

浦島太郎「浦島太郎だ、何とぞよろしく」

乙姫は浦島太郎を歓迎し、楽しい時間を過ごしました。

何日か経った後、浦島太郎は地上に帰ることにしました。

乙姫「お礼にお土産を差し上げたいのですが、如何なさいましょう?たいしたものがあげられないかもしれませんけど…そうそう、ポチを助けてくれたのは本当に感謝します。あの子は小さいから、いつもいじめられていて…」

浦島太郎「長い!長いぞ乙姫!別にお土産は何でもかまわん」

乙姫「そうですか…では、この何の変哲もない玉手箱を差し上げましょう、でも、決して開けてはいけませんよ。中身は教えられませんけど、開ける際は自己責任でお願いしますね。別に毒が入っているとかではないんですけど…ああ、そうだ実は…」

浦島太郎が箱を地上に持ち帰ると、町は様変わりしていました。

浦島太郎「何だこれは…いったいどうなっている」

(あなたが竜宮城に居た間、ここでは100年経っていたのよ)

浦島太郎「何だ今の声、100年経っていたと聞こえたが…それが本当ならあの子供たちは…」

浦島太郎はショックのあまり、何の変哲もない玉手箱を開けてしまいました。

すると、白い煙がもくもくと出てきて、何と浦島太郎はおじいさんになってしまいました。

浦島太郎「何だこれは!?乙姫め…何の変哲もないと言っていたのに…許せん!」

編集後記

「何」を25個も使いました(数え間違いがなければ)。

ちなみに、誰何は「お前は誰だ」みたいな意味です。「