頬太郎

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山へ柴狩りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃がどうしてよ、どうしてよと流れてきました。

おばあさんが桃を持ち帰って割ると、中から頬がふっくらした赤ちゃんが出てきました。

それにちなんで、名前を「頬太郎」に決定。

頬太郎は大事に育てられ、すくすくと育ちました。

そんなある日、頬太郎は鬼ヶ島に行くことにしました。

おばあさんからもらったきび団子を腰につけ、鬼ヶ島へ出発。

途中で犬に出会い、こう言われました。

犬「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子、ひとつ私にくださいな」

頬太郎「人の名前を間違えるんじゃない、俺の名前は頬太郎だ」

犬「…え?」

その後に出合ったサル・キジも同様の間違いをしてしまい、頬太郎は機嫌を悪くしてしまいました。

どうにか説得して仲間になった犬たちは、一緒に鬼ヶ島へ向かいました。

鬼ヶ島に着いた頬太郎たちは、間髪入れず鬼達に突撃。

鬼「おい!ほっぺたつねるな!痛い!痛いからやめて!」

あまりに痛さに鬼達は降参、頬太郎は宝をもらって幸せに暮らしましたとさ。

 

 

 

浦島太郎がゲーマーだったら

むかしむかしあるところに、浦島太郎というゲーマーがいました。

浦島太郎が暇つぶしにゲーセンに行くと、亀が、常連の子どもたちにイジメられている姿が見えました。

子ども「お前、こんな簡単なのもできないの?下手にもほどがあるだろ」

浦島太郎「お前たち!亀がかわいそうじゃないか!止めてやれ」

子ども「はぁ?ホントのこと言ってるだけだし」

浦島太郎「ならば、俺が相手をしてやろう」

「ゲーム界の変人」の異名を持つ浦島太郎は子どもたちを圧倒、亀を救い出しました。

亀「ありがとうございます、お礼に竜宮城へ招待しますよ」

浦島太郎は亀に乗り、竜宮城へワープしました。

乙姫「亀よ、その殿方は?」

亀「実は、かくかくしかじかで、僕を助けてくれたんです」

乙姫「あら、そうなんですか?でも、少し大人げない気もします…」

浦島太郎「帰っていいか?」

亀「ちょっと待ってください!姫!気持ちは分かりますが、本人の前で言うのは謹んでください」

メンタルに深い傷を負った浦島太郎でしたが、乙姫と楽しい時間を過ごしました。

数日経ったある日、浦島太郎は帰ることにしました。

乙姫「では、このゲームソフトを差し上げましょう、でも、絶対にプレイしてはいけませんよ」

浦島太郎は家に帰り、約束をあっさり破ってゲームをプレイしました。

すると、浦島太郎はゲームの世界へ引きずられ、二度ともとの世界に帰れませんでした。

SM桃太郎

むかしむかしあるところに、ドMのおじいさんとドSのおばあさんがいました。

おじいさんは会社へ叱られに、おばあさんはムチを持って川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃がびっくらこん、びっくらこんと流れてきました。

おばあさんは持ち帰った桃をおじいさんと一緒に割ると、中から赤ちゃんが出てきました。

子どもは桃太郎と名付けられ、大事に育てられました。

ある日、桃太郎強くなるために鬼ヶ島に行くことになりました。

おばあさんから激辛きび団子をもらい、家を出発。

途中で出会ったドSの犬・サル・キジを仲間にして、一緒に鬼ヶ島へ向かいました。

鬼ヶ島へ着いた桃太郎たちはすぐさま鬼のところへ突撃。

桃太郎「鬼達!今からお前たちを退治するから覚悟しろ!おりゃあ!」

鬼「何だお前ら!ってああ!気持ちイイ!」

桃太郎「は?お前何言って…」

鬼ヶ島にいる鬼達は全員ドMで、調教されたがっていました。

桃太郎たちは引きましたが、なんとか鬼たちを撃退。

宝ももらって幸せに暮らしましたとさ。

 

 

すごいビビりの桃太郎

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山へ柴狩りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃がすごい勢いで流れてきたかと思ったら、おばあさんのところで急にスピードを落としてきました。

まるで「拾ってください」と訴えかけているようです。

おばあさんは桃を持ち帰っておじいさんに割ってもらうと、強面だけど優しそうな赤ちゃんが出てきました。

2人は子どもを桃太郎と名付け、大事に育てました。

数年経った後、桃太郎はおじいさんとおばあさんにこう言いました

桃太郎「俺は強面だけど超ビビりだから、鬼ヶ島に行ってメンタルを鍛えてくるよ」

おばあさんからきび団子を授かって出発した桃太郎は、途中で犬・サル・キジを仲間にして、一緒に鬼を倒すことしました。

桃太郎たちは鬼ヶ島に着きましたが、桃太郎は怖くてすでに半泣きしています。

犬・サル・キジから激励のビンタをもらい、鬼達と戦う決心をしました。

桃太郎「お…おい!お前たち!い…今からおま、お前たちを倒すぞ…覚悟しろ」

鬼「ああ!?なんだテメェ」

桃太郎「ヒィィィ!!!」

あまりの怖さに桃太郎は大号泣、その涙で鬼達はもらい泣きしてしまいました。

そのすきに犬・サル・キジが鬼達に一斉攻撃、桃太郎はなぐさめられながら宝を持って家に帰っていきましたとさ。

 

 

少し腹黒い桃太郎

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは食費をケチるために山へキノコ狩りに、おばあさんは水道代をケチるために川へ洗濯に行きました。

しかし、おばあさんが行った川は水質が良くなかったので、洗濯物は一向にきれいになりません。

おばあさんは仕方なく帰ろうとしたそのとき、大きな桃が流れてきました。

おばあさんはあっさりと桃を持ち帰りましたが、法律上では犯罪です。

幸い、何も咎められなかったおばあさんは持ち帰った桃を割ると、中から赤ちゃんが出てきました。

ある日、桃太郎は鬼ヶ島に行くことになり、おばあさんからきび団子を渡されました。

桃太郎は鬼ヶ島に行く途中、犬に出合いました。

犬「そちらのお兄さん、そのきび団子おいしそうですね。ひとつ私にくださいな」

桃太郎「鬼退治に参加するのであれば、ひとつやろう」

犬「お、鬼退治ですか…じゃあやめとこっかな」

桃太郎「じゃあ、一緒に倒したらドッグフード1年分買ってやる」

犬「言いましたね!絶対くださいよ!」

次に出合ったサルは「バナナ1年分」、最後に出会ったキジは「鶏のエサ1年分」を買うことを条件に仲間にしました。

鬼ヶ島に着くと、凶暴そうな鬼がたくさんいました。

犬「うわ~、すごい強そう…突撃するのはちょっと待ったほうがいいですね」

桃太郎「いや、尺が足りなくなってきてるからちゃっちゃと倒そう」

サル・キジ「何の話だ」

桃太郎「よ~し、突撃!!!」

鬼「ん?なんだお前ら、人の陣地に勝手に立ち入るな!警察に電話するぞ!」

桃太郎一同「ちょっ、待って待って!それは勘弁して」

鬼「あ~、警察ですか?実は…ぐああああ!」

桃太郎「早く!早く倒せ~!!!」

桃太郎たちはあっという間に鬼を倒し、宝を持ち帰って幸せに暮らしましたとさ。

 

3が多い桃太郎

むかしむかしあるところに、オジーサンダーバード(おじいさん)とオバーサンダーバード(おばあさん)がいました。

オジーサンダーバードは山へ山菜取りに、オバーサンダーバードは3分クッキングの特別ゲストとして呼ばれました。

オバーサンダーバードは収録を終えて帰宅する途中、大きな桃が3個流れていることに気づきました。

さすがに3つは持って帰れないので、オバーサンダーバードはその中からひとつだけ持ち帰りました。

帰宅して桃を割ると、中から3333グラムの赤ちゃんが出てきました。

子どもの名前はオジーサンダーバードと3時間話し合った末、桃太郎に決定。

桃太郎は大事に育てられ、すくすくと成長。

それから3年、桃太郎は立派な武士になるため鬼ヶ島に行くことにしました。

オバーサンダーバードから3つのきび団子をもらい、途中で出会った犬・サル・キジにきび団子を一つずつ与えて仲間にしました。

鬼ヶ島に着くと、33人の鬼が立ちはだかっており、とてもかないそうにありません。

犬「桃太郎さん、どうするんです?相手が多すぎて勝てる気がしないんですが…」

サル・キジ「それな!」

桃太郎「だったら、俺が一人で行く」

そう言うと、桃太郎は三国志呂布並みの強さで鬼達を圧倒、宝も持ち帰り幸せに暮らしましたとさ。

 

桃太郎を現代風にしたら多分こうなる その4

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山へ稲刈りに、おばあさんは趣味の料理教室へ行きました。

おばあさんは料理教室の帰り、大きな桃が皿に盛られた状態で流れていることに気付きました。

本能がうずいたおばあさんは、即効で桃を持ち帰り、料理することにしました。

おばあさんが包丁を入れると、中からコック帽をかぶった赤ちゃんが出てきました。

子どもがいなかったおばあさんは感動し、おじいさんと相談して桃太郎と名付けました。

桃太郎は大事に育てられ、すくすくと成長。

数年後、桃太郎は鬼ヶ島に行くことになりました。

桃太郎「では、行ってきます」

おばあさん「ちょっとお待ち!この特製きび団子を持っていきな」

桃太郎はきび団子を手に鬼ヶ島へ向かいました。

途中で出会った犬・サル・キジを仲間にして、ついに鬼ヶ島へ到着。

桃太郎たちは門を破って鬼達に向かいましたが、あまりの怖さに全員硬直。

犬「ど、どうすんですが?僕は怖くて無理です」

サル・キジ「以下同文」

桃太郎は考えた結果、きび団子で機嫌を取ることにしました。

桃太郎「あの~よろしければ、このきび団子をどうぞ」

鬼A「これで機嫌を取ろうってか?まあいい、1個だけもらおう…な、なんだこれは!?」

鬼B「どうした!毒でも入ってたのか?」

鬼A「違う、このきび団子すげぇ美味い…お前らも食べてみろ!」

鬼B「確かに、これは美味い!」

鬼C「ホントだ!ほっぺが落ちそう~」

そのとき、きび団子を食べた鬼達のほっぺが本当に落ちてしまいました。

パニックになった鬼達はあっさりと自滅、桃太郎たちは宝をもらって幸せに暮らしましたとさ。